運動をずっとしていないと衰えるのはもちろん筋力の低下という側面もあるだろうけど、運動に使う神経の回路をどう繋いで発火させるか身体が忘れてしまうという側面もあるかもしれない。

絵を描いたりCGをやったりすることも同じような感覚があって、毎日手を動かしていないと神経の発火装置が鈍り、個々のプロセスにおける意思決定に費やす時間が増えたりして、結果作品の切れ味が落ちていく気がする。

そういう点で言うとぼくはディレクターとか、自分で手を動かさずに指示を出すだけの仕事は向いてないなと思う。自分の身体感覚が衰えているにもかかわらず、プロセスの上流にまわることによって権力だけが増えていくのには耐えられない。

「ピーターの法則」という有名な社会学の法則がある。簡単に言うと能力主義の階層社会で各人がその能力の極限まで出世した場合、有能な構成員は無能な中間管理職になる。無能な構成員はそもそも出世しないため、各階層は結果的に無能な人間で埋め尽くされる、というものだ。

有能なプレイヤーは出世すると大体ディレクターになり、神経の発火プロセスを忘却して無能になる。