ぼくは「気に入られ競争」が得意じゃないし、好きじゃない。例えばこういう人が子どもの頃からいなかっただろうか。学校の教師に気に入られたり取り入ったりするのが妙に得意で、試験の成績が悪いのに内申点だけが良いというタイプ。常にその集団の中で誰が権力を持っているか、誰に取り入ればいいかを敏感に察知して、意図的か天然かはわからないがそういう人に気に入られる能力に長けている。
ぼくはこういう人間が昔からとにかく苦手、いや裏を返せば羨ましいのだ。健気にクラスで一番高い点数を取り続けていたのに、内申点はいつも「4」だった。気に入られ競争に負けているからだ。
この構図は社会人になってもほぼ同じ形で繰り返される。能力などは二の次で、気に入られ性能が一番に求められる。いや、むしろ能力のある人間は協調性を乱す罪によって迫害される可能性すらある。
当然、社会の中で「うまくやりたい」ならこの能力はあった方が良いに決まっているし、そういうのもひっくるめて「能力」なんだと言われればぐうの音も出ないが、昔からどうにも釈然としない気持ちがある。